令和6年度 ZEH情報 トピックス

戸建・補助金

令和6年度のZEH補助金について

2024年06月24日

日本は、2050年にCO2を始めとする温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引いて実質ゼロにする、カーボンニュートラルの実現を目標に掲げています。住宅では、断熱性能を高めて高効率な設備を導入することで冷暖房をはじめとする必要なエネルギー量を減らし、さらにエネルギーを創ることで全体での温室効果ガスの排出量削減を目指します。

その実現に向けて、2025年度以降は全ての新築住宅に2021年度まで最高等級であった「断熱等級4」が義務化されます。すなわち、つい数年前まで最高等級とされていたものが標準等級になる、そんな状況がすぐそこに控えています。さらに、2030年には省エネ基準の水準が引き上げられ、「ZEH基準」が標準になる予定です。

4月から公募が始まった今年度のZEH補助金について紹介します。


  • 実際に補助金に申請する際は、他にも満たすべき要件がありますので、必ず公募要領をご確認ください。

今年度の補助額は、主に3種類のパターンになっています。

  • Ⅰ)

    ZEH 55万円/戸

  • Ⅱ)

    ZEH+ 100万円/戸

  • Ⅲ)

    ZEH+ハイグレード仕様 110万円/戸または125万円/戸
    ※ハイグレード仕様:一般住宅に対して一次エネルギー消費量削減率30%以上、断熱等性能等級6以上の外皮性能が要件(詳細は次回)

今回は、Ⅰ)ZEHとⅡ)ZEH+について説明します。

そもそも「ZEH」とは?

ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとなることを目指した住宅のことです。

補助事業での、Ⅰ)ZEHの公募要件は、以下の1)~4)を満たす必要があります。

  • 1)

    建設予定地(地域区分)に応じた断熱性能(断熱等性能等級5以上)

  • 地域

    1地域

    2地域

    3地域

    4地域

    5地域

    6地域

    7地域

    8地域

    ZEH基準(等級5)

    0.40

    0.40

    0.50

    0.60

    0.60

    0.60

    0.60

    -

    一般住宅(等級4)

    0.46

    0.46

    0.56

    0.75

    0.87

    0.87

    0.87

    -

    ※UA

  • 2)

    一般住宅と比較して20%以上の一次エネルギー消費量の削減

  • 3)

    太陽光発電の搭載

  • 4)

    太陽光発電による再生可能エネルギー(再エネ)により、一次エネルギー消費量の削減量を確保
    2)と4)の削減率によって、ZEHの分類が変わります。
    削減率100%以上確保したものを『ZEH』
    削減率75%以上100%未満のエネルギーを確保したものをNearly ZEH
    削減率75%未満のエネルギーを確保したものをZEH Oriented
    に分類され、①②③いずれの場合も55万円/戸の補助金が受取れます。
    なお、Nearly ZEH、ZEH Orientedが適用されるためには、
    地域や積雪量等いくつかの条件がありますので詳細は公募要領でご確認ください。

コラム:一次エネルギー消費量とは?

「一次エネルギー消費量」とは、 「住宅が一年当たりに消費するエネルギー量(MJ:メガジュール/年)」のことを指します。住宅で使用する冷暖房機器や換気設備、給湯機器や照明器具などの年間の消費エネルギーを合計したものです。

3つの選択要件がある「ZEH+」

次に「ZEH+」について説明します。

補助事業での、Ⅱ)ZEH+の公募要件は、以下1)~5)を満たす必要があります。

  • 1)

    建設予定地(地域区分)に応じた断熱性能(断熱等性能等級5以上)

  • 2)

    一般住宅と比較して25%以上の一次エネルギー消費量の削減

  • 3)

    太陽光発電の搭載

  • 4)

    太陽光発電による再生可能エネルギー(再エネ)により、一次エネルギー消費量の削減量を確保
    100%以上確保したものを『ZEH+』
    75%以上100%未満のエネルギーを確保したものをNearly ZEH+
    として分類され、①②いずれの場合も100万円/戸の補助金が受取れます。
    なお、ZEH+にはZEH Orientedの設定はありません。

  • さらにZEH+には追加で、

  • 5)

    「ZEH+の3つの選択要件」のうち2つ以上の選択

  • の要件があります。

ZEH+の3つの選択要件

ZEH+では、以下の3つの選択要件から、2つ以上を選んで導入することが必要です。

  • 外皮性能の更なる強化
    住宅の外皮性能は、地域区分ごとに定められた
    外皮平均熱貫流率(UA値)を満たしていること。

地域

1地域

2地域

3地域

4地域

5地域

6地域

7地域

8地域

ZEH+基準(UA値)

0.30

0.30

0.40

0.40

0.50

0.50

0.50

-

ZEH基準(UA値)

0.40

0.40

0.50

0.60

0.60

0.60

0.60

-

  • 高度エネルギーマネジメント
    HEMS(Home Energy Management System)により、
    太陽光発電設備等の発電量等を把握したうえで、
    住宅内の冷暖房設備、給湯設備、省エネ設備等を
    制御可能であること。
    設置する設備はHEMSで制御出来る認証を取得した
    機器であることが必須となります。

  • 電気自動車を活用した自家消費の拡大措置のための充電設備又は充放電設備の設置
    太陽光発電設備等により発電した電力を電気自動車(プラグインハイブリッド車を含む)
    (以下「EV」という。)に充電を可能とする設備又はEVと住宅間で充放電することを可能とする
    設備を設置すること。
    なお、EVの所有の有無は問いません。

また、ZEH+は昨年度までは一般公募のみが対象でしたが、今年度からは新規取組公募でも「ZEH+」でも申請が可能になっています。

次回は「Ⅲ)ZEH+ハイグレード仕様」と関連して「断熱等性能等級」について紹介します。

  • ZEH+ハイグレードの公募要件等
  • 断熱等性能等級とは?

>「ZEH+ハイグレード仕様と、断熱等性能等級について」はこちら

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