令和6年度 ZEH情報 トピックス

戸建・制度・補助金

ZEH+ハイグレード仕様と、断熱等性能等級について

2024年07月12日

今回は「Ⅲ)ZEH+ハイグレード仕様」と「断熱等性能等級」について説明します。

ZEH+ハイグレード仕様とは

ZEH+には、①外皮性能の更なる強化として、通常のZEHより高い外皮性能基準を定めた選択要件があります。ハイグレード仕様は、①の基準をさらに上回る断熱等性能等級(断熱等級)における等級6と同等のUAを必須要件とし、加えて一般住宅に対する省エネによる一次エネルギー消費量削減率を30%以上確保する、断熱性能と省エネ性能を深掘りしたZEH+のことです。

  • 外皮性能の基準には、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)の規定もあります。

補助事業での、Ⅲ)ZEH+ハイグレード仕様の公募要件は、以下の1)~4)を満たす必要があります。

  • 1)

    建設予定地(地域区分)に応じた断熱等級6と同等のUA値の取得

  • 2)

    一般住宅と比較して30%以上の一次エネルギー消費量の削減

  • 3)

    太陽光発電の搭載

  • 4)

    太陽光発電による再生可能エネルギー(再エネ)により、一次エネルギー消費量の削減量を確保
    1.削減率100%以上確保したものを『ZEH+』
    2.削減率75%以上100%未満のエネルギーを確保したものをNearly ZEH+

ハイグレード仕様の補助額は、ZEH+の選択要件によって異なります。

  • 高度エネルギーマネジメント かつ EVコンセント等の設置を導入 125万円/戸(ZEH+100万円 + 加算額25万円)

  • 高度エネルギーマネジメント 又は EVコンセント等の設置を導入 110万円/戸(ZEH+100万円 + 加算額10万円)


  • 参考:ZEH+の選択要件

  • 外皮性能の更なる強化(ハイグレード仕様は必然的に達成となります)

  • 高度エネルギーマネジメント

  • 電気自動車を活用した自家消費の拡大措置のための充電設備又は充放電設備の設置(EVコンセント等の設置)

断熱等級について

断熱等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき制定された「住宅性能表示制度」で定められており、それまでの省エネ基準を参考に等級1~4として制定されました。その後、2022年4月に等級5(ZEH基準)、2022年10月に等級6、7が新たに追加されました。

今後2025年度には全ての新築住宅に等級4以上が義務化される予定で、2030年度には等級5以上が義務化されることが目標とされています。

<断熱等級と各地域区分で求められるUA値>

断熱等級

地域区分とUA

1地域

2地域

3地域

4地域

5地域

6地域

7地域

8地域

等級7

0.20

0.20

0.20

0.23

0.26

0.26

0.26

-

等級6

0.28

0.28

0.28

0.34

0.46

0.46

0.46

-

等級5

0.40

0.40

0.50

0.60

0.60

0.60

0.60

-

等級4

0.46

0.46

0.56

0.75

0.87

0.87

0.87

-

ZEH+強化外皮基準

0.30

0.30

0.40

0.40

0.50

0.50

0.50

-

  • 断熱等級には、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)、結露防止対策の規定もあります。

コラム:住宅性能表示制度とは?

2000年4月1日に施行された「住宅の品質確保の 促進等に関する法律(品確法)」に基づく制度です。様々な住宅の性能をわかりやすく表示し、良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するためにつくられました。

省エネ性能表示制度について

2024年4月から、新たな省エネ性能表示制度が始まりました。省エネ性能ラベルが定められ、BELS(第三者評価)証も一新されて、エネルギー消費性能や断熱性能等を確認することができます。また、選択により年間目安光熱費を表示することもできるようになりました。

<BELS評価書のイメージ>

  • ①:一般住宅に対する一次エネルギー消費量削減率

  • ②:UA

  • ③:太陽光発電を含むエネルギー消費量削減率

  • ④:断熱等級

  • ⑤: ZEH区分

  • ⑥:①③⑤の集約表

  • ⑦:年間目安光熱費(申請時希望で表示)

<省エネ性能ラベルのイメージ>

事業者は新築建築物の販売・賃貸の際に、省エネ性能ラベルを表⽰することが必要となります。