ZEH情報 トピックス

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令和6年度ZEH-M補助事業 交付決定関連情報〈低層集合住宅編〉
2025年08月07日
前回、令和6年度(2024年度)終了に伴い、ZEH補助事業の戸建住宅に関する交付決定関連情報について、通年での実績値による分析を行いました。
今回は、集合住宅のうち、1~3階建の低層集合住宅を対象とした、通年での実績値による交付決定関連情報について取り上げます。
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戸建については、「令和6年度ZEH補助事業 交付決定関連情報<戸建住宅編>」をご覧ください。
交付決定件数について
令和6年度交付決定の総数は、11月以降に124件増加し、合計369件となりました。
その内、308件が一般公募(2024年12月6日締切)、61件が追加公募(2025年3月21日~2025年5月30日締切)での交付決定事業です。
令和5年度の331件と比較すると38件増、前年比で+11.5%増となりました。

都道府県別の実績は昨年に引き続き、愛知県を筆頭に中部地方が最多となり、全体の約25%でした。

低層ZEH-M事業概要について
交付決定された事業概要について分析を行いました。
まずは、階建別の一棟当たりの戸数規模を見てみます。全て賃貸物件、住戸数は大部分を占める2、3階建で5~10戸の割合が多く、1棟あたり平均8戸が全体の約60%を占めています。
2階建と3階建の割合は令和5年度と比べて2階建の割合が増え全体の約52%でした。なお、1階建ては1件のみ申請がありました。

続いて、住戸平均床面積を階数別に見てみます。
住戸平均床面積は50~60㎡が2、3階建合わせて159件と最多で全体の約43%を占めています。令和5年から件数・割合ともに1.5倍増でした。
また、住棟規模ごとの平均床面積は2階建、3階建ともに約56㎡でした。

UA値が等級6以上相当を満たす事業の割合(地域区分ごと)
令和5年度の住戸平均UA値が0.45以下となる住棟の割合は74.9%でしたが、令和6年度は88.3%となっており、年々向上しています。
また、住棟BELSによると住棟を構成する全住戸のうち最も大きいUA値が等級6以上相当を満たす事業が、全体の約45%に達しています(369件中169件)。集合住宅の高断熱化が加速していることが読み取れます。


一次エネルギー消費量削減率について
住棟BELSにおける住棟の再生可能エネルギー等を除く一次エネルギー消費量削減率は25~30%未満が最多で半数を占めています。また、削減率30%を超える事業が全体の3分の1に達しています。

また、再生可能エネルギー等を含む一次エネルギー消費量削減率は75~80%未満が最多で全体の32.7%を占めています。100%を超える『ZEH-M』事業は18.8%ありました。

太陽光発電の供給住戸状況と創電力分配状況
住棟BELSを取得した事業のうち、「100%(全住戸に供給)」が353件と最多で、全体の95.9%を占めています。全住戸に供給する事業における創電力の分配方法は個別受電型が89%を占めています。

まとめ
令和6年度集合ZEH-M補助事業(低層集合住宅編)の交付決定状況を分析した結果、戸建てと同様に集合住宅でも高断熱化が進んでいることがわかります。住棟のみならず住戸ごとの断熱性能向上に向けた事業者の取組がなされていることがうかがえます。今後は、設備仕様の改善等による削減率の向上も期待されるところです。
以下、「令和6年度集合ZEH-M補助事業の交付決定状況ー低層ZEH-Mー」より、本記事掲載以外の統計についても確認いただけます。