令和6年度 ZEH情報 トピックス
集合・調査発表会・データ分析
令和5年度ZEH-M補助事業 交付決定関連情報〈低層集合住宅編〉
2024年08月20日
前回、令和5年度(2023年度)終了に伴い、ZEH補助事業の戸建住宅に関する交付決定関連情報について、通年での実績値による分析を行いました。
今回は、集合住宅のうち、1~3階建の低層集合住宅を対象とした、通年での実績値による交付決定関連情報について取り上げます。
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戸建については、「令和5年度ZEH補助事業 交付決定関連情報<戸建住宅編>」をご覧ください。
交付決定件数について
令和5年度交付決定の総数は、11月以降に113件増加し、合計331件となりました。
令和4年度の430件と比較すると99件減、前年比77.0%に減少しましたが、その理由として令和4年度が令和3年度から約2倍の交付決定件数であり、その揺り戻しが来たこと、また他の補助金制度の利用が増加したことなどが推測されます。
また建築地を都道府県別に見ると、愛知県を筆頭に中部・近畿圏が全体の約50%を占めました。
この傾向は2、3階建共に令和4年度と同様であると言えます。
低層ZEH-M物件概要について
次に2階建・3階建別の一棟当たりの戸数規模別の分析です。
全て賃貸で平屋建は無く住戸数については2、3階建共に5~10戸の割合が多く全体の57.7%を占めています。
2階建と3階建の割合は令和4年度はほぼ同じでしたが、令和5年度は3階建が全体の約57%と増えています。
続いて、住戸平均床面積を階数別に見てみます。
住戸平均床面積は50~60㎡が2、3階建合わせて100件と最多で全体の約30%を占めています。
また、住棟規模ごとの平均床面積は2階建で約51㎡、3階建で約55㎡となっており、令和4年度と同様の傾向を示しています。
住棟における平均UA値について
住棟BELSを取得した事業における平均UA値の分布割合を表すグラフです。
0.40超~0.45以下の分布が最も多く、全体の33.7%を占めています。
また、令和4年度の住戸平均UA値が0.45以下となる住棟の割合は51.2%でしたが、令和5年度は74.9%となっており、大きく向上しています。
これは一昨年前から施行された集合住宅における外皮計算方法の変更が大きな要因と推測されます。UA値の向上により、空調等の設備機器の性能における選択肢も多様になってきています。
一次エネルギー消費量削減率について
住棟BELSにおける住棟の再生可能エネルギー等を除く一次エネルギー消費量削減率は25~30%未満が最多で、全体の52.7%を占めています。
また再生可能エネルギー等を含む一次エネルギー消費量削減率は75~80%未満が最多で全体の34.0%を占めています。
これは補助金申請物件として必要とされる省エネ性能を確保するバランスのとれた設計手法の定着、あるいは3階建の太陽光パネル設置面積の制約等が要因として考えられます。また100%を超える『ZEH-M』物件は18.3%ありました。
太陽光発電の供給住戸状況と創電力分配状況
住棟BELSを取得した事業のうち、「100%(全住戸に供給)」が264件と最多で、全体の94.6%を占めています。全住戸に供給する物件における創電力の分配方法は個別受電型が92%を占めています。
> 参考データ:R5年度集合ZEH-M補助事業の交付決定状況