ZEH情報 トピックス

新築ZEH・新築ZEH-M・調査発表会・データ分析

令和7年度 交付決定関連情報

2026年08月20日

SIIでは昨年12月に「ネット・ゼロ・エネルギーハウス実証事業調査発表会2025」として、令和7年度ZEH補助事業の2025年10月末時点のZEH補助事業の分析結果及びサマリ記事を公開しています。
この度は、令和7年度(2025年4月~2026年3月まで)の実績値を集計・分析し、ポイントをご紹介します。

【新築戸建ZEH】交付決定件数について

令和7年度の戸建向けZEH補助事業は、環境省によるZEH支援事業について公募を行いました。
上記事業の令和7年度の交付決定の総数は合計2,209件となりました。内訳はZEHが436件、ZEH+が1,773件と全体の約8割を占めています。
ZEH+については前年度の「ZEH+ハイグレード仕様あり」と比較するとシェアが23.9ポイント増加しました。 (令和6年度はZEH+ハイグレード仕様が現在のZEH+に相当(断熱等性能等級6相当以上かつ 一次エネルギー消費量削減率30%以上))。

こうした高度なZEHのシェア拡大の背景として、更なる断熱性能、省エネの深掘りが進められていることが挙げられます。性能別に分析をしてみると、次の段階を見据えたZEHの動向が見えてきます。

ZEH+の定義改訂については、こちらをご覧ください。

【新築戸建ZEH】断熱性能(UA値)及び一次エネルギー消費量削減率の分布

令和7年度のZEH補助事業を対象として、BELS評価書に基づき省エネ地域別にUA値の分布を分析したところ、いずれの地域においても外皮性能が優れている(UA値が小さい)ほど、一次エネルギー消費量の削減率が高くなる傾向が見られました。

2027年度より適用開始予定の「GX ZEHシリーズ」で求められている一次エネルギー消費量削減率の基準値(35%以上)に着目してみると、すでに高い断熱性能を有する一部の範囲において平均値でその水準に達している状況が見られます。
また、全体のボリュームゾーンである5〜7地域においては、UA値0.50以下で削減率平均が35%以上となり、GX ZEHシリーズを見据えた省エネの深掘りが進められている状況が見て取れます。

各グラフ共通:横軸の赤線は、GX ZEHシリーズの基準値である一次エネルギー消費量削減率35%のラインを示しています。

【新築集合 ZEH-M】断熱性能(UA値)における
断熱等性能等級6相当以上の推移(地域区分ごと)

令和7年度の集合住宅向けZEH-M補助事業は、環境省による「低層ZEH-M促進事業」「中層ZEH-M支援事業」「高層ZEH-M支援事業」の3事業について公募を行いました。

そのうち、令和7年4月以降に交付決定した「低層ZEH-M促進事業」は270件、「中層ZEH-M支援事業」は11件となり、低層・中層あわせた交付決定の総数は281件でした。

低層ZEH-M、中層ZEH-Mにおける交付決定事業の住棟BELSによると、各住棟を構成する全住戸のうち、最も大きいUA値が断熱等性能等級6相当以上を満たす事業の割合は、2地域で80%(4件)、5・6・7地域で60.7%(163件)を占め、全体割合でみると60%以上に達しており、令和6年度の約45%から大きく上昇しています。また、最も申請規模の大きい5・6・7地域(温暖地)の内訳をみると、UA値「0.40超~0.46以下」の住戸が35.8%と最多です。それに次ぐUA値「0.34超~0.40以下」の住戸は、令和6年度の10.7%から、令和7年度には20.2%へ増加しました。この結果からも、断熱等性能等級6相当以上の高断熱住宅の普及が着実に進んでいることが分かります。

令和6年度の住棟を構成する全住戸のうち最も大きいUA値の割合はこちらをご覧ください。

【新築集合 ZEH-M】GX ZEH-Mシリーズの要件を満たす事業の分布(地域区分ごと)

2027年度より適用開始予定のGX ZEH-Mシリーズでは、断熱性能は断熱等性能等級6相当以上、省エネ性能は再エネ等を除く設計一次エネルギー消費量削減率35%以上が求められます。この要件を達成するためには高度な設備設計ノウハウが求められる先進的な仕様ですが、令和7年度「低層ZEH-M促進事業」においては、2地域で1件、5・6地域で12件、合計13件、「中層ZEH-M支援事業」ではハイグレード仕様の1件がGX ZEH-Mシリーズが求める高い断熱・省エネ性能に達していました。全体から見た割合としてはまだ多くはありませんが、こうした先進的な取組が今後全体をけん引していくことが期待されます。

※ハイグレード仕様とは住棟を構成する全住戸の外皮性能が断熱等性能等級6相当以上かつ住棟の再生エネ等を除く一次エネルギー消費量削減率が30%以上である建築物。詳しくはこちらをご覧ください。

【新築集合 ZEH-M】一次エネルギー消費量削減率について(低層)

低層ZEH-Mの住棟BELSにおける「再生可能エネルギー等を除く設計一次エネルギー消費量削減率」は、25~30%未満が最多で半数を占めており、一定の省エネ水準が定着しつつあることが伺えます。また、「再生可能エネルギー等を含む設計一次エネルギー消費量削減率」では、75~80%未満が最多で全体の30.8%を占めました。これに次いで、100%以上を達成した『ZEH-M』は19.2%でした。

『ZEH-M』の割合は令和6年度の18.8%からわずかではあるものの増加しており、今後は自家消費の拡大も含めて、更なる再生可能エネルギー等の活用の深掘りが期待されます。

おわりに

令和7年度の交付決定関連情報からは、戸建住宅及び集合住宅の双方において、省エネ・断熱性能の向上が確認できました。

戸建住宅においては、ZEH+が大半を占め、市場における性能水準の確実な底上げが示されています。一方、集合住宅においても、断熱等性能等級6相当以上を満たす事業の割合が大きく上昇しており、住宅事業者等による供給物件の高断熱化が急速に進展しています。

2027年度より適用開始予定の「GX ZEHシリーズ」により、今後更なる省エネ・断熱性能の深掘りがされ、普及が進むことが期待されます。

以下より、本記事掲載以外の統計(分析時時点)についても確認いただけます。

「R7年度戸建ZEH補助事業の交付決定状況-ZEH支援事業-」
「R7年度 交付決定事業の傾向分析-低層ZEH-M-」
「R7年度 交付決定事業の傾向分析-中層・高層・超高層ZEH-M-」