ZEH情報 トピックス
ZEHビルダー/プランナー
ZEHビルダー/プランナー登録制度(フェーズ3)
移行の背景とポイント
2026年10月21日
ZEHビルダー/プランナーとは、「ZEH普及目標」を掲げ、その実現に努めているハウスメーカー、工務店、建築設計事務所、リフォーム業者、建売住宅販売者等のことを指します。ZEH普及を着実に実現させることを主な目的として2016年よりZEHビルダー/プランナー登録制度が開始し、これまで登録・公開された住宅事業者は2026年3月末時点で約6,140件にも上ります。
そんなZEHビルダー/プランナー登録制度は、2021年から2025年の5か年計画で遂行した“フェーズ2”を終え、ZEH普及という大きな目的は継続的に据えながらも、政策目標の達成・更なる省エネの深掘りにもよりフォーカスし、住宅関連部門の省CO2における最重要な位置づけの制度として、登録要件を刷新し、フェーズ3へと移行します。
本記事では、新たなZEHビルダー/プランナー登録(フェーズ3)について、その背景と概要を紹介いたします。
住宅の省エネルギー化を目指した国の施策
2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画の住宅部門においては、引き続き2050年ストック平均でのZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保に向けた施策の方向性が示されており、その実現に向けて2030年度以降に新築される住宅・建築物についてはZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指すことが確認されています。
2025年4月には、原則全ての新築住宅・非住宅建築物について省エネ基準適合が義務化され、規制面での住宅・建築物の省エネルギー性能は着実に引上げが進められており、2025年9月にはGX ZEHの定義が公表されました。
また、2050年目標に関しては、新築住宅に留まらず既存住宅の省エネ性能の底上げによりストック平均を向上することが政策目標達成の前提条件のため、既存住宅の省エネルギー化も必要不可欠です。
ZEH普及の推移と現状の課題
これまでもZEHビルダー/プランナー登録制度(フェーズ2)に登録したZEHビルダー/プランナーは、2025年度までのZEH普及目標を定め、その達成に努めてきました。年度ごとのZEH普及状況は実績報告としてSIIが報告を受け、集計・分析した資料を「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業 調査発表会」として公開しています。
以下は、登録しているZEHビルダー/プランナーのZEH普及実績の推移を「新築戸建住宅(注文・建売)」と「既存改修」ごとに表したグラフです。
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業調査発表会2025掲載資料」P60 ZEHビルダー/プランナーのZEH普及実績と2025年度ZEH普及目標(全体)
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(注)
本統計はZEHビルダー/プランナーに登録のある事業者のみを集計したデータであることに留意すること。
ZEH基準の水準の省エネルギー性能を確保した住宅の普及率について、2022年度から2024年度までを破線で示していますが、それによると新築戸建住宅(注文・建売)については、2024年度実績で84.4%まで達しており、第7次エネルギー基本計画における2030年度目標まであと一息であることが伺えます。
2025年4月より施行された省エネ基準適合の義務化による法整備も一層の後押しとなり、普及率は向上していく見込みです。
一方、既存住宅の改修については2024年度の実績を見てもZEH基準の水準の省エネルギー性能を確保した住宅の普及率はわずか3.8%であり、高性能住宅への改修は限定的と見受けられます。
新築と比較して改修におけるZEH化はハードルが高く、現状は法的な規制についても限定的ですが、2050年目標を見据え、既存改修の普及率をいかに向上させていくかは、今後の住宅業界全体の重要な課題のひとつであると言えるでしょう。
ZEHビルダー/プランナー登録(フェーズ3)へ
経済産業省ではZEH普及による政策目標の達成のため、毎年度「ZEH・ZEH-M委員会」を開催し、ZEHにおける今後の検討の方向性が定められています。
2026年9月に公開された2025年度の「ZEH・ZEH-Mの普及促進に向けた今後の検討の方向性について」では、ZEH普及の現状や課題を踏まえ、ZEHビルダー/プランナー登録制度の見直しについても整理がされています。
資料の内容に基づき制定されたZEHビルダー/プランナー登録(フェーズ3)の主なポイントを以下に取り上げます。
2030年度ZEH普及目標
実績報告の対象
ZEH普及実績の評価
2030年度ZEH普及目標
2026年度から2030年度までの5か年をフェーズ3と定め、2030年度のZEH普及目標※として、以下を設定する必要があります。
-
『ZEH』、 Nearly ZEH及びZEH Orientedの普及実績の目標を指し、ZEH基準の水準の省エネルギー性能を確保した住宅は含めない。
新築戸建住宅
2030年度のZEH普及目標として以下のいずれか又は両方を満たすZEH普及目標を設定すること
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⚫︎
90%以上
-
⚫︎
2025年度実績+30%以上
既存改修
2030年度のZEH普及目標を設定すること
新築戸建住宅における普及目標のほか、既存改修を営む事業者においては既存改修に関する目標設定も要件となっています。
また、必須要件ではありませんが、GX ZEHシリーズにおいても以下3つの観点から定められた新定義であることを受け、今後の普及を推進するべく任意での目標設定も可能としています。GX ZEHシリーズについては今後の普及状況を踏まえ、下限値が定められる可能性がZEH・ZEH-M委員会の資料でも示唆されています。
-
(1)
2050年の目標達成を牽引する省エネ性能
-
(2)
自家消費拡大措置を通じた住戸単位でのエネルギー自給率の向上
-
(3)
再生可能エネルギー設備設置に係る条件の見直し
実績報告の対象
フェーズ3では、事業年度における住宅建築数として、以下の実績が報告対象です。
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主な報告対象 |
内容 |
|---|---|
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ZEHシリーズ |
ZEHシリーズの建築件数を報告 |
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GX ZEHシリーズ |
GX ZEH+、GX ZEH、Nearly GX ZEH、GX ZEH Orientedの建築件数を報告 |
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ZEH+改修 |
住宅の種別として既存改修を選択している場合、ZEH+改修の建築件数を報告 |
先述の通り、2050年に住宅ストック平均でZEH基準の水準の省エネルギー性能を確保するためには、新築住宅のZEH化と並行して、既存住宅の省エネルギー化を進めていくことも重要です。ZEH・ZEH-M委員会の資料においても、既存住宅のZEH改修等に取り組むよう努めることが示されていることを踏まえ、フェーズ3では既存改修を選択している場合、経済産業省資源エネルギー庁が所管である令和8年度事業の「既築住宅のZEH+改修実証支援事業」の要件を満たすZEH+改修の建築件数も報告対象としています。
補助金も積極的に活用しながら、既存住宅の改修を伸ばしていく必要性があります。
ZEH普及実績の評価
「ZEH・ZEH-M委員会」での取りまとめを受け、フェーズ3では、ZEHに関する4段階の評価項目とGX ZEHシリーズに関する2段階の評価項目にて、最大6つ星の評価を行う見直しがされました。
新たにGX ZEHシリーズの普及率による評価項目が追加され、より高性能なZEH住宅の普及に注力しているZEHビルダー/プランナーが明示的になります。
これにより、ZEHに関心を抱く消費者へのアピールポイントにもなり、一層のZEH普及に繋がることを狙いとしています。
|
評価項目 |
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|---|---|---|
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➊ |
前年度のZEHビルダー/プランナー実績報告を行いかつ、2030年度のZEH普及目標と2025年度から前年度までの |
★ |
|
❷ |
前年度に受注した住宅の25%以上がZEHとなっていること。 |
★★ |
|
❸ |
前年度に受注した住宅の50%以上がZEHとなっていること。 |
★★★ |
|
➍ |
前年度に受注した住宅の75%以上がZEHとなっていること。 |
★★★★ |
|
⑤ |
前年度に受注した住宅の25%以上がGX ZEHシリーズとなっていること。 |
★★★★☆ |
|
⑥ |
前年度に受注した住宅の50%以上がGX ZEHシリーズとなっていること。 |
★★★★☆☆ |
-
評価は2026年度の実績より実施予定です。
おわりに
以上が、ZEHビルダー/プランナー(フェーズ3)の制度の概要です。住宅業界はこれからますます省エネ化における重要性・需要・注目度が高まっていくと考えられ、その取組みへの第一歩とも言えるのが「ZEHビルダー/プランナーへの登録」です。
まずは自社のZEH住宅への取組みの現状を実績値として把握し、今後の目標を定め計画的に取り組んでいくこと、そしてそれらを対外的に示すことで広く世間一般にも「ZEH」というキーワードの認知向上を図るとともに、興味関心を喚起していくことは、私たちの生活とは切り離すことのできない“住”の領域のサステナブルな観点からも全住宅事業者において必要な役割だと考えられます。
また、SIIではZEHビルダー/プランナーへ登録した事業者がZEH普及目標の達成を成し遂げるべく、補助対象事業に関与する事業者がZEHビルダー/プランナーへ登録済みであることを要件として定めた以下の補助事業を執行しています。
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ZEH+改修
ZEHより省エネを更に
深掘りしたZEH+への改修 -
新築戸建住宅のZEH・
ZEH+化等支援事業ZEHの新築戸建住宅を建築・購入する個人、新築戸建住宅の販売者となる法人が対象の補助事業です。
特にZEH+改修については、先述の「ZEH普及の推移と現状の課題」でも整理したように今後のZEH普及においてその推進は欠かせないものであり、多くの事業者が未開拓の領域であるため、トップランナーとして本事業を積極活用するZEHビルダー/プランナーの参画に期待が高まります。
補助金を有効活用し、ZEH普及の実績を積み上げていくことでZEHビルダー/プランナーとしての評価・ブランディングを築き上げられるような制度を目指し、SIIとしてもより多くの事業者にフェーズ3のZEHビルダー/プランナーへ登録していただき、今後のZEH推進が一層活発化していくための一助となれるよう様々な情報発信を検討しています。
ZEHビルダー/プランナー登録に関するスケジュールや要件の詳細、手続き方法については以下よりご確認ください。